やすらぎNews
Letter(創刊号)
2001年12月発行(年4回発行予定)
発行元 にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会
〒950−1134新潟市天野 2-1-13 児玉義明 方
電話 090-2450-7153
ファミリーハウス活動が始まりました
「にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会」会長 児玉義明
「にいがたファミリーハウスやすらぎ」は、入院患者に付き添う家族が心と体を休め、安心して看病ができるよう、民間ボランティアが開設・運営する滞在施設です。
臓器移植を受けた人や家族などでつくる「移植医療を進めるいのちリレーの会」が、長期入院・移植手術の体験を通して施設の必要性を感じ、開設を目指してきました。病院近くのアパート所有者から部屋提供の申し出があり、病院の理解をいただき2001年7月に開設できました。
新潟市ボランティアセンターや叶V潟県基準寝具をはじめとする企業、市民から家財、生活用品の寄付をいただき、各部屋には宿泊、炊事、洗濯、入浴ができる設備が整いました。部屋を提供された方、寄付された方、アドバイスや資料を寄せてくださった全国の施設関係者をはじめ、ご支援をいただいたすべての皆さんに厚く御礼申し上げます。
9月には「にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会」が結成され、施設を管理・運営する態勢が整いました。
「やすらぎ」は遠くは鹿児島、兵庫、山形、福島などの県外から、近くは長岡、三条などの県内から、新大病院、がんセンター病院、はまぐみ小児療育センターなどに入院、通院する患者の家族に利用されています。利用された方からは「病院のすぐ近くでゆっくり休め、洗濯や入浴ができてありがたい」「設備や生活用品がそろっていて使いやすい」「低料金なので経済的に助かった」などと大変喜ばれています。
しかし、家賃、水光熱費など諸経費を利用料だけでまかなうのは困難です。ぜひ多くの市民、企業からのご支援をお願いいたします。「やすらぎ」を通して県民、病院、行政などの皆さまからファミリーハウスの必要性をご理解いただき、力を寄せ合って施設を拡充し、県内各地の基幹病院所在地にもファミリーハウスが広がりますよう心から願っております。
にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会・発足までの経過
2000年
1月 「移植医療を進めるいのちリレーの会」(児玉義明会長)結成。ファミリーハウス開設を活動方針に掲げる。
2001年
2月 児玉会長の学校講演をきっかけに、アパート所有者が部屋提供を申し出る。
〜6月 ファミリーハウス開設へ準備開始。(病院医師らと意見交換・協力要請、全国の施設の資料集め・調査、
長野県の施設見学、行政・企業に協力依頼)
7月 ファミリーハウスを開設。記者発表を行う。新たな部屋提供の申し出がある。
8月 病院関係者との意見交換・協力要請続ける。
利用第1号。(新大病院に入院中の県内患者の家族)その後、利用申し込み相次ぐ。
10月 「ファミリーハウスを支援する会」結成。
設立総会報告
2001年10月2日午後7時から新潟市総合福祉会館で「にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会」設立総会を開催しました。会則が承認され、会として新たな一歩を踏み出しました。「あったらいいな」「ぜひとも必要」という思いが集まり、こんな形になりました。これからも応援をお願いいたします。
〈組織〉
会 長 児玉 義明
副 会 長 荒木隆子 市嶋彰 小泉仲之
事務局長 逸見龍生
運営委員 井浦裕子 窪田明則 宮坂道夫 竹村真理 渡辺豊 渡辺英美子 斎藤赫子 早見大介 横山文恵
〈各プロジェクト〉
ハウス運営 行政交渉 病院交渉 広報
〈会則〉 =抜粋=
第3条(目的) 本会は、非営利による、医療施設に入院する患者の付添家族の援助を目的とする入院患者付添家族滞在施設「にいがたファミリーハウスやすらぎ」の運営及び支援、ならびに関係機関への協力を図り、市民への啓発活動を行うことを目的とする。
第4条(事業)
(1) 入院患者付添家族滞在施設「にいがたファミリーハウスやすらぎ」の運営及び支援を行う事業。
(2) 関係機関に対して、入院患者付添家族滞在施設の充実を求める事業
(3) 機関誌、その他資料の発行、配布などによる情報提供及び広報の事業
(4) 利用者、会員間の交流、学習、共助に関する事業
(5) その他、本会の目的達成のために必要な一切の事業
利用者の皆様の声
「病院に泊まることも多かったのですが、途中で帰ってきてゆっくり手足を伸ばせるそのことが、とてもありがたかったです。いろいろな方の声かけや親切で成り立っていると感じ、自分も何かできることをやれればと思っています」
「昼間シャワーを利用させていただくことが多く、3日間だけの宿泊でしたが、本当のところ、肉体的精神的疲れがなかったとは言えません。でも夜すべてを終えてこのハウスに帰りホッとしたこころのやすらぎは何ものにも代え難いものでした」
運営委員から一言
◎どんなときも、ゆっくり眠ると元気が出ます。このボランティア活動に参加して「家族」を考えたいなと思います。
竹村真理
◎荒木自身が困ったときに誰かから、どこかから、ヘルプしてもらえるように支えてもらえるように、種をまいています。いつか咲く花を見るために。自分から動かなくては、なにも始まらないでしょう。いつか、自分に返ってくると、信じてね。
荒木隆子
◎医療・福祉課題の表には出にくいですが、大切な活動です。多くの人が知り、関わりを!
渡辺 豊
◎県外から新潟の病院で入院生活をしていらっしゃる患者さんとご家族のために、病院内に安心して泊まれる場所(部屋)が早くできたらいいな。
斎藤赫子
◎たとえ小さなことからでもいいので無理せず背伸びせず、自分自身疲れないようにお手伝いできたらいいと思っています。
横山文恵
◎「この指とまれ」にとまったのは、人のつながりが安心や元気(人と社会の)を育てると思ったからです。
渡辺英美子
◎初対面の方に二つ折りの名刺を出すと、決まって「いろいろなことをやっておられるのですね」といわれてしまう。”気が多い”と云われるし、確かに自分でもそうだと思う。それは、どんなことでも人ごとではないと思ってしまうからだ。どんな事柄でも明日と云わず「今日は我が身」だと思う。共感やイメージができない人は21世紀では生きていく存在さえ問われるのではないか?
市嶋 彰
◎この会の活動を通じて、患者の家族の心の支え、オアシスになれる、そんな存在にしていきたいと思います。
早見大介
◎「あと半年の命」と宣告され、息子からの生体肝移植で生きのびた私。社会への恩返しと病気で苦しむ患者・家族を支えたいとの熱い思いで、ファミリーハウス開設に奔走しました。
児玉義明
◎お手伝いさせていただいている私も、患者家族としてハウスを切望していた一人です。
井浦裕子
◎ボランティア活動に関わりたいと思っていたところへ、タイミングよくファミリーハウス設立のお話があり、飛びつきました。まずは自分にできることから。
宮坂道夫
◎人と人とが支え合うことがファミリーハウスの基本です。そして実は支え合うことは、私たちに「支合」⇒「幸せ」をくれるんですね。
小泉仲之
◎まず、出来ること(だけではありません)から着実に、一つ一つのことを慎重に進め、利用者に喜んでいただける組織を目指したいと思います。
窪田明則
◎障害児だった娘に付き添っての病院暮らしを支えてくれた、たくさんの人々との出会い。子を失ったいまもそれはかけがえのないぼくの心の糧です。ぼくにとってファミリーハウスは娘の思い出と同じ。ずっと長くかかわっていくつもりです。
逸見龍生
Essay 子ども病棟の思い出 @ 〜お母さんの手作りマヨネーズ
竹村真理(新潟大学医学部教員)
看護婦の私たち、病棟の通常業務以外にも患者さんの健康回復に協力したいのです。そんな気持ちで、病棟勤務時代の思い出に残る子どもや家族のことをお話ししていきたいと思います。
30年くらい前の小児病院では、付き添いがないことが最先端の医療のようにいわれていました。卒業して初めて働いたのは神戸の病院の小児病棟です。面会時間は午後2時から4時。家族が病棟の入り口のベルを鳴らすと、看護婦は子どもと一緒に着替えの洗濯物を持って入り口に行きます。家族と顔を合わせるときの子どもたちのうれしそうな顔は、面会終了時の泣き顔とは対照的でした。
泉君という5歳の男の子がいました。彼は私より2年も早くから病院にいて、服用しているステロイドホルモンのせいでほっぺも、おなかもポーンとふくれていました。当時の私の顔は中華饅頭のようにまん丸でした。泉君は新人の私を見上げて、「ね、竹村さんもネフローゼだったんでしょう。ぼくも竹村さんのように元気になれるよね」と言いました。
泉君のお母さんとお父さんは、妹を連れて面会に来られると、泉君を連れて六甲山をドライブされていたようです。ほんとは許可されていなかったのですが。泉君は外泊すると、お母さんの手作りの無塩マヨネーズのことを一生懸命話してくれました。「ぼくに特別に作ってくれるんだよ」と自慢そうに。「どんな味なの?」と聞くと、「しょっぱくないんだ」とか「そんなにすっぱくないんだ」と教えてくれました。
泉君は当時だれも持っていなかったラジカセを持っていました。4歳のヨッちゃんが、音楽テープを聴いているうちにいきなりテープを全部引っぱり出しました。「何も入ってなかった」とがっかりしていました。
子どもにとって大きな病気や入院は青天の霹靂です。入院しても、大切にしていたおもちゃや大好きな家族と離ればなれにならないように考えていかなくては…と思います
ファミリーハウスご利用案内
利用できる方 新潟市内の病院に入院する患者の付添をされる方
利用期間 原則として1週間以上
利用料 1人1日1500円(2人目から1000円) 生活用具がそろっています。
利用方法 電話で「支援の会」に予約する
予約電話:090-5794-4167 受付時間:月〜金午前9時から12時まで
「支援の会」にご協力ください
▼会員募集
正 会 員(本会の目的に賛同して入会した個人及び団体)
年会費:個人会員1口2千円から、団体1口1万円から
賛助会員(財政支援等により本会を賛助する個人・団体)
年会費:1口1千円から
振 込 先:郵便振替 00570-5-73317
口座名称:にいがたファミリーハウスやすらぎ支援の会
▼上記以外の寄付も受け付けています。郵便局から
上記の振替口座にご入金ください。
ご入会・ご寄付ありがとうございました(敬称略。2001年12月14日現在)
▼ご入会いただいた方
正 会 員:会田ミヨシ/井上朗子/内山ミサヲ/小泉美子/丸山芳/佐藤美代子/鈴木幸子/堀川明子/横山春美
賛助会員:堀川雅弘/松崎利香/潟ープラン
▼ご寄付をいただいた方
飯島なお子/池田米子/伊藤さえ子/加治大子/佐々木毬子/佐藤好信/瀬賀愛子/関康三郎/高橋一栄/田中トシ/田中ヒサ子/塚野哲也/外川峰雄/西村義和/畠山勝義/早川時雄/藤沢八重子/本間忠市/本間ハツ/松木弘/山田朗二/横山キミイ/渡辺修/新日本婦人の会の講演会での募金(21,970円)/上越地区労連秋の集い講演会での募金(20,116円)/新潟市ボランティアセンター/叶V潟県基準寝具/猪俣さんを救う会/ワークセンター日和山/叶迹纉c設備/鞄kエ/泣Aベ空調機器サービス/泣Iバタ空調機器サービス/鰹Z機
*利用者の方々からもご寄付・ご入会をいただいております。運営委員は除きます。
編集後記
ボランティア・市民活動の達人からど素人(私のことです)までが何かのご縁で顔を合わせて3カ月。会の運営は手探りですが、ファミリーハウスを新潟に根付かせたいという思いを胸に、着実に前進していきたいと思います。迫る年の瀬に吹き荒れる不況風。でもファミリーハウスはいつもあったかく…。利用者の皆さんがいいクリスマスとお正月を迎えられますように。(英)